古民家改修のDIY解体編:さようならべニア!よみがえる古民家

 

古民家改修、次はどこ?

最初にはじめたのは屋根の改修でした。

そして、屋根の次に重要なのは、基礎、と考えます。

古民家は木造ですし、100年以上も建っていますで、地盤沈下やシロアリ被害などにより基礎がぐらつくとドアが開かなくなったり、地震に対する強度が弱くなります。

自宅の古民家を購入するまでに古民家を何軒も見学しましたが、床がフワフワしてないか、また、あらゆる戸が開くかどうかが家の傾きやシロアリ被害のチェックポイントとしていました。

信州は夏涼しいイメージがありますが、ここ特別豪雪地帯のいいやまは日本海が近いせいか意外と湿気があり、夏もかなり暑くなります。幸いなことに夜は涼しくなりますが。

このため、いいやまはシロアリの被害が多いと地元の害虫駆除専門業者に聞きました。

シロアリ被害診断と対策の見積は無料でもらえるので、我が家にも業者さんに来てもらいました。床下の話は別の機会にしますが、実際に、自宅の和室を歩いているとフワフワする箇所があります。微妙に動かない戸もいくつかあります。

  

しかしながら、次に手を付けたのは北側の畳の一室でした。

なぜ畳の部屋?

なぜなら、部屋の一部に水回り(この場合はシャワーとトイレ)をあたらしく作るためです。

飲み水は隣村から汲んでくる湧水、トイレはコンビニ、というキャンプ生活を半年以上続けていましたので、水回りが優先事項でした。

 

実は、自宅の古民家は、上下水道につながっていません!

水は自宅の裏の井戸、トイレは汲み取りです。

引っ越しする前に、水質検査キットを購入して井戸水を採取して水質検査をしました。

井戸水生活もいいな~と夢をふくらませていましたが、結果は、飲料には不可、でした。

浅井戸だから不純物が混じる、何年も使っていないが使っているうちに水がきれいになる、等々のご意見を色々な方にいただきました。

トイレはバイオトイレに、井戸水はフィルターを通して飲み水にできないか、など検討しました。

しかしながら、ウォシュレットをこよなく愛する夫やめんどくさがりな私には、現代の便利な水回りが魅力です。

このため、井戸はガーデニングや非常用とし、上下水道をつなぐことにしました。

 

さて、なぜ北側の畳の部屋かというと、ここが一番眺めを邪魔しないからです。

我が家の自慢は「眺め」なのですが、なぜかこの辺の古民家は、土間があった部分の家の正面側(通常は一番眺めがいい)にトイレやお風呂があります。

これは、土間に後から風呂やトイレを設置しやすかったとか、薪風呂で薪がくべやすかったとか、そんな理由かと思います。

ちなみに、古いトイレやお風呂はすべて撤去し、景色がよく見える大きな窓を設置する計画です。

 

 

解体準備

トイレとシャワールームをゼロから作りますので、まずは既存の畳の部屋をスケルトン状態にしなければなりません。 

スケルトン状態にできたら、水道管敷設のために業者さんが入ることになっています。

さあ、あこがれの解体です!もちろん自分たちでやります!

 

まずは、畳の部屋のBefore写真。


白い天井とべニア板で壁は覆われて昭和感満載! WOW!

 

解体ですから、ホコリ対策にゴーグル、マスク、手袋、防護服、安全対策として、ヘルメット、安全靴、解体道具には、バール、ハンマー、脚立、工事用ライトなどなどを揃えます。おすすめの道具や選び方については、またいつか。

下準備と服装と道具が揃ったら、解体が始まります。

 

昔の小学校にあるような白い天井をバールでバリバリはがしていきます。

結構、簡単に外せますが、とにかく気持ち悪いです。なんというか古い湿った段ボールの塊を剥がしていくような…。

石膏ボードなのか化粧板というのでしょうか、中途半端に古いものですから体にいいものではない気がします。

ぴろぴろと剥がしていきます。

接着剤?

白い天井を剥がし終わったら、次は、天井の下地を外していきます。

この作業が大変でした…。

なぜなら、それはもう大量にクギが打ってあるからです。

古民家はクギを使わないで建てられているんですが、この頃の大工さんはとにかく、くぎ、クギ、釘!

クギが厄介なんです。なぜなら、解体、と言っても、べニアや下地に隠れているもともとの柱にできるだけ傷をつけないように気を付けて取り外さなければいけないからです。

ハンマーで力任せに何でもかんでも壊せるなら楽ですよ。

クギは五寸釘みたいな太いものですし、中には錆びて頭が取れてしまうものもあります。

最近は、ビスをドライバーで打ち込むので取り外しも簡単なんですけどね。

クギとの闘いをしばらく続けていると…うれしいサプライズが!

なんと天井の上にはもう一つ天井がありました!しかも、いい感じの色の杉板の天井です!

解体のときに壊してしまい穴があきましたが、再利用決定!このまま天井として使います!

湿った古い段ボールのようになった新建材とはちがい、無垢板は古くなればなるほど味が出ます。

 

では、この天井の上はどうなっているのでしょうか?

見てみましょう…。

うわっ、ものすごいホコリですが古民家らしい梁と土壁です。

  

かやぶき です。縄で留めてあります。 針金はトタン屋根を留めるためです。

この後の天井裏の掃除は本当に心が折れそうでしたが、そこは今回は飛ばします。 

 

続けて、壁一面のべニア板を剥がします。

簡単にメリメリと外せます。

そうしたら、またまたうれしいサプライズ!

漆喰が塗られたきれいな状態の土壁と素敵な色の柱がどんどん見えてきます!

古民家がみるみるよみがえってきました!

テンションが上がり、さらにべニアを剥がしていくと!

 

?????

 

ポスターと新聞が出てきました!

拡大。

舟木一夫!

HIBARI MISORA …美空ひばり!

昭和を代表する歌手にこんなところで出会えるとは。

ポスターを外さずにべニア板を貼った大工さん、ありがとう。

 

そして、新聞。

東京朝日新聞?

朝日新聞に「東京」がついてたっけ?

なにが書いてあるのかな?

服供子?ふくともこ?右から左に…子供服?こどもふく!

アラビア語か!?

昭和9年5月17日…、1934年!戦前!  

 

このころのホットトピックは何だったのでしょうか?

有栖川宮記念公園がもうすぐ完成。行ったことはないけど東京の広尾にある公園。

イギリスの戦艦ネルソンがまた座礁。

 

秩父宮(昭和天皇の弟)が満州へ出発する。全満が歓喜に沸く。

1931年満州事変の3年後の新聞です。

着実に第二次世界大戦へ近づいていたようです。

 

昭和の大物歌手に出会ったと思ったら、生きた歴史の教科書も見つけてしまいました。

こんなサプライズが古民家にはあふれています。

 

人間の一生よりも長い間そこに家が建っていて、人間が住み継いでいく、住まわせてもらっている、という感覚が好きです。

古民家が、歴史を静かに見守っています。

これからも、いつまでも、見守っていてほしいと思いませんか?

 

最後にAfter写真。 

畳を外して。

 

古民家らしいいい味が出てきました。 

しかし、解体はまだまだ続く…。

 

 

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